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【ブログ】2025年大学入試でプログラミング教科追加!! 2021.01.18

今回は2日間に渡って開催された「子ども向け民間プログラミング教育カンファレンス2021」に参加しました。
コロナ過ということもあり、2日間ともZoomによるオンライン開催での参加となっています。

このカンファレンスの内容は主に2つ。

  • 大学入試に「情報」科目が新規教科として新設されたことに伴う動向
  • オンラインでのスクール運営について事例紹介

大学入試でプログラミング教科追加はまだまだ先!?

まず一つ目の大学入試に新設された「情報」について。

つい先日もコロナ過で開催された大学入学共通テスト(昨年までの大学入試センター試験)ですが、タイトルに記載したとおり2025年からプログラミング(正確には情報科目)が新設されるとされています。

【参考】大学入学共通テストに「情報」新設へ 2025年から

日本経済新聞より

「情報」科目とは、コンピュータサイエンスを中心とした情報技術を学ぶ教科で、”プログラミング”学習はその教科の一部でしかありません。正確には、プログラミングの技術・知識はあくまでツールであって、「情報社会での問題解決」「情報通信ネットワークとデータの活用」「情報を使ってのコミュニケーションと情報デザイン」などを学ぶ教科となっています。

下記は、プログラミングを学ぶ目的として、プログラミングを学ぶとどのような資質・能力を身に付ける事を目指いしているのか関係性を表した図になります。

少し話が難しくなったので戻ると、昨年小学校で必須化となったプログラミングですが、大学では2025年から入学共通テスト教科となることについて「2025年ってまだ先の話」と思ったとしたらそれは間違いです。今の小学生が大学入学共通テストを受けるころは早くて6年後ですが、つまり2027年であり既に入学共通テストでプログラミング(情報)科目が追加されたあとなのです。文部科学省の目論見どおり、小学校からの一貫したプログラミング教育は強ち間違っていなくて、小学生からプログラミングに触れておくことで、中学・高校・大学へとスムーズに移行できるためでもあります。

大学入学共通テストで「情報」が追加されるまでの直近のスケジュールは文部科学省から以下のとおり提示されており、コロナの影響を多少は受けると思いますがほぼこの予定どおり進むと言われています。
 ・2020年度 大学入試センターからサンプル問題の提供(関係団体向け)
 ・2021年度 2024年度実施入試大網の予告
 ・2022年度~ 新学習指導要領実施
 ・2024年度 各大学による募集要項配布
 ・2024年度後半 新学習指導要領に対応した入学共通テストの実施

ちなみに、「英語」は今から約15年前、2006年頃に大学入試で外国語の英語を選択する場合に、英語(当時はリスニング)教科の受験が必要となったようです。話が反れたように思われるかも知れませんが、後述する「民間プログラミングの動向」で、英語は少し関係してきます。。

GIGA構想として小学生一人1台のパソコンが付ける日も近いと思いますが、このように着実にプログラミング学習の波は来ているので、現時点で焦る必要はありませんが、少しずつプログラミングに慣れていく必要があると私は考えます。

【プログラミング教室の市場規模】
少し話は変わって、プログラミング教室の市場規模について話がありました。
203x年には1000億円規模の市場規模になると言われていますが、これは学習塾の10分の1ということでこれでもまだまだです。現時点の英会話教室の規模がちょうど1000億ぐらいと言われています。1000億円の予想についても、先に述べた大学での情報科目取り扱いに大きく左右されるものと予想されています。
習い事でよく聞く、「そろばんや公文」をマスターしたからと言って必ずしも算数や数学が得意とはならないように、こども英会話を習っても受験英語が絶対得意とならないのと同じで、プログラミングを習っても必ず大学の情報科目が受かるとは限りません。とはいえ、密接に関係しているのは確かですので、プログラミングを学ぶことで少しでも武器(知識・技術・考え方など)を持って受験に臨んだ方がいいと考えます。

オンライン学習でプログラミングは不可能!?

次に2つ目のトピックであるオンラインでのスクール運営について、民間企業の「株式会社しくみデザイン」から事例紹介がありました。株式会社しくみデザインは、Scratchよりもさらにビジュアル的にプログラミングできる「Springin(スプリンギン)」を開発した会社です。

実際にZoomを使ってオンライン学習をした結果として、オンラインの課題である「こどものリアクションが分かりづらい」「複数人の場合、途中でわからなくなった子供へのサポートが難しい」などがあげられました。
Zoomの機能として、拍手ボタンなどは先生側のやる気につながりますが、それ以外に内容が伝わっているのか、リアルな教室であればすぐに気づけることがオンラインだと難しいということです。また、コロナ過で複数人がオンラインに参加した場合、少しでもわからないところでつまづいて、先生側の配信内容についていけないとどんどん置いていかれます。例え先生とは別にサポート役がいたとしても、一つのつまづきが解決したころには本線は先に進んでいるのでずっと追いつくことができないという問題になります。

教室でも小規模ながらオンラインは実施しようと考えており、上記のような課題にどう対処するか今後検討が必要と思いました。